2019年8月24日、神奈川大学にて比較経済体制研究会の第38回夏季研究大会「技術覇権競争からみた米中貿易戦争」というセッションが開催されました。私は「中国における移動通信技術の発展:2Gから5Gまで」と題する報告を行いました。
アメリカのトランプ政権がまさに異様な執着心を持って中国を叩いており、なかんずく華為技術を叩いているわけです。1990年代まではそもそも自国ブランドの携帯電話さえなかった中国が、20年で移動通信技術において世界の覇を争うようになったのはどうしてなのか。日本ではそもそも中国(華為)が世界トップになった事実さえフェイクではないかと考えている人も多いと思います。
私は1990年代の2G(第2世代)から5Gまでの移動通信技術の発展を跡付け、そのなかで中国が単に技術を使うだけの国から自ら開発する国へと発展してきたさまを発表しました。一言で言えば頑張ったからトップになったということですし、もちろん自国市場の大きさが有利に働いていることも確かです。
同時に、2000年代前半までは世界の先端を歩んでいたはずの日本勢が没落していったのですが、それは多分に「策に溺れた」面があることを指摘しました。結局、ハイテク製品だって安くてパフォーマンスがいいこと(だけ)が重要です。日本市場は通信事業者の寡占による歪みがあり、本来最も高価なiPhoneが最も安いという歪んだ世界です。ホームでまともな価格競争の環境にない日本企業が海外市場でまるで振るわないのも致し方ないです。
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