Saturday, April 24, 2021

新疆のウイグル族の人権をめぐる2つの論考

アメリカでバイデン政権が成立してから、中国国内の人権問題をアメリカが責めることが多くなり、それを理由に制裁なども行われている。

香港における民主派の弾圧について私は中国に弁解の余地はないと思うが、新疆については実情をよく理解しないまま、新疆綿の追放といった極端な対策を主張する人が多い。なかには綿花が工場で作られていると思い込んでいるようなジャーナリストもいる。

新疆におけるさまざまな人権侵害(裁判を経ない長期間の拘束や投獄、不妊手術の強制、宗教活動の制約)が起きているのは事実だと思うが、他方で大勢のウイグル族や漢族の人々が普通に生活し、働いている場所であることに対する理解があまりに欠けている。

たとえば、「新疆の綿花畑でウイグル族が強制労働に従事させられている」という説。新疆綿の6割がウイグル族がほとんど働いていない北疆で生産され、その綿摘み作業がほとんど機械化されているということをどの程度意識しているのだろう? 

新疆綿の追放運動を行った場合、ウイグル族を貧困に追いやる可能性が大きいことを運動している人たちはどれほど意識しているのだろうか?

Newsweek日本版のコラムで2回にわたって新疆問題について考察した。

新疆の綿花畑では本当に「強制労働」が行われているのか?

https://www.newsweekjapan.jp/marukawa/2021/04/post-69.php

新疆の人権状況を改善するにはどうしたらよいのか?

https://www.newsweekjapan.jp/marukawa/2021/04/post-70.php

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